早稲田大学人間科学部の世界史 傾向と対策・社会史からの視点

早稲田大学人間科学部の世界史 傾向と対策・社会史からの視点
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早稲田大学人間科学部は、人間の営みを多面的に捉えるという学部の性格から、世界史でも社会史・生活史・思想史にかかわるテーマが響きやすい学部です。政治史と戦争史だけを追っていると見えない領域——人々がどう暮らし、何を信じ、社会がどう変わったか——を軸に据えると、対策の質が変わります。

まず入試方式を確定させる

最初に必ず確認してください早稲田大学人間科学部には複数の入試方式があり、方式によって科目構成が異なります(数学を用いる方式などもあります)。自分が使う方式で世界史を使うのか、配点は何点かを、必ず募集要項で確認してください。
  1. その方式で世界史を使うか
  2. 配点は何点か(英語・国語との比率)
  3. 共通テスト利用の方式があるか
  4. 他学部との併願で必要になる科目

方式が確定したら、世界史に割くべき時間量が決まります。配点比率を見ずに一律の勉強をするのが、最も多い非効率です。

人間科学部の世界史はどういう試験か

観点 傾向
形式 マーク式中心。方式により記述あり
難易度 標準〜やや難
時代 全時代。近現代も確実に出る
地域 ヨーロッパ中心だが、アジアも出る
特徴 全範囲から。社会史・文化史的な視点も
必ず確認を形式・設問数は年度によって変動します。ここに書くのは過去問全体から読み取れる傾向であり、受験年度の実際の出題は赤本と大学公表の入試情報で必ず確認してください

基本方針は他学部と同じで、標準レベルを穴なく仕上げることです。そのうえで、学部の性格に合った視点を持っておくと、理解が深まり記憶も定着します。

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社会史の視点 — 「人々はどう暮らしていたか」

教科書は王朝・戦争・条約を中心に書かれていますが、その裏側には人々の生活があります。この視点を持つと、暗記が「意味のある物語」に変わります。

時代 支配層の歴史 人々の生活はどうだったか
中世ヨーロッパ 教皇と皇帝の争い 農奴が賦役を負い、三圃制で耕し、黒死病で人口が激減
宋・明・清 王朝の交代と制度改革 佃戸が地主の土地を耕し、都市に市民文化が育つ
産業革命期 資本家と技術革新 長時間労働・児童労働・都市のスラム
帝国主義期 列強の世界分割 プランテーションで働く人々、故郷を離れる移民
二つの大戦 国家間の戦争 総力戦で女性が工場へ、配給と統制、避難民
  1. 身分と階層 — ヴァルナ制、ローマの身分闘争、中世の三身分、フランス革命前の三身分
  2. 労働の形 — 奴隷制、農奴制、賦役から金納へ、賃金労働、児童労働
  3. 疫病と人口 — 黒死病、新大陸への疫病の伝播、人口増加と食糧
  4. 女性の位置 — アテネ民主政からの排除、修道院、総力戦での動員、女性参政権
  5. 移動する人々 — ゲルマン人の大移動、奴隷貿易、移民、難民
この視点の効用社会史の視点は暗記量を減らします。「なぜ黒死病が重要か」を「人口が減って労働力が不足し、農民の立場が強くなり、荘園制が崩れた」と理解すれば、複数の用語が一度に定着するからです。

思想史・宗教史も同じ枠でつかむ

思想や宗教も、「その時代の人々が何に困っていたか」という枠でつかむと理解しやすくなります。

時代の問題 生まれた思想・宗教 何に答えたか
ポリスの崩壊 ストア派・エピクロス派 共同体が頼れない中で、個人はどう生きるか
ローマの不安定 キリスト教 救いはどこにあるか(身分を問わず開かれた救い)
部族社会の分裂 イスラーム(ウンマ) 血縁を超えて結束できるか
教会の腐敗 宗教改革 救いは教会を通さねば得られないのか
身分制への不満 啓蒙思想・社会契約説 権力の正統性はどこにあるか
産業革命の貧困 社会主義 富の分配は正しいのか

思想は、その時代の問題への答えとして生まれる——この枠を持つと、人物名と著作の暗記が「答えの一覧」になります。人間科学部の学びにも直結する見方です。

社会契約説は必ず区別ホッブズ=『リヴァイアサン』・絶対的権力を擁護/ロック=『統治二論』・抵抗権、アメリカ独立宣言に影響/ルソー=『社会契約論』・人民主権、フランス革命に影響。3人の主張と著作の入れ替えは頻出です。

解き方・時期別プランと併願

  1. 最初の2分で全体を見渡す — 大問ごとの時代・地域を確認し、得意な大問から着手。
  2. 知っている問題から即決 — 迷ったら印をつけて飛ばす。
  3. 正誤問題はズレを探す — 時代・地域・人物・因果の4パターン。
  4. 必ず全問マークする — 空欄は0点。
時期 やること 到達目標
高3・春 方式を確定。通史のインプット開始 何を対策するか決まる
高3・夏 通史1周完了。近現代まで必ず到達 全時代を通した
高3・9〜10月 一問一答の基本レベル完成+社会史・思想史の表 教科書の太字を9割
高3・11月 過去問を年度単位で。失点を4分類 取りこぼしを特定
高3・12月 第2層の用語を補強。手薄分野を埋める 8割が安定
直前期 誤答ノートと表のみ 取りこぼしゼロへ
  • 教育学部も受ける — 全範囲を穴なく(共通)
  • 文学部・文化構想学部も受ける — 文化史・思想史を厚く(相性が良い)
  • 社会科学部も受ける — 正誤判定の精度と現代史
  • 共通して効く — 通史の精度、近現代の厚み、社会史・思想史の視点

人間科学部で身につける社会史・思想史の視点は、文学部・文化構想学部との相性が特に良く、併願する場合はそのまま活きます。

日本世界史塾での対応人間科学部志望の生徒には、まず方式と配点を確認し、そのうえで社会史の視点を使って通史を読み直してもらいます。「王朝と戦争の羅列」が「人々の暮らしの変化」として見えると、暗記の負担が明らかに軽くなるからです。担任講師が、政治史と社会史を結びつけた表を一緒に作ります。体験授業(3,300円・税込)では、この読み直し方を実際にお見せします。
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 人間科学部の対策で最初に確認すべきことは。
A. 自分の受験方式で世界史を使うか、配点が何点か
Q2. 社会史の視点で中世ヨーロッパを見るとどうなるか。
A. 農奴が賦役を負い三圃制で耕し、黒死病で人口が激減した社会として見える
Q3. 黒死病が荘園制の解体を促した因果を説明せよ。
A. 人口が減って労働力が不足し、農民の立場が強まって領主が待遇改善を迫られたため
Q4. ポリスの崩壊に答えた思想を2つ答えよ。
A. ストア派とエピクロス派
Q5. 社会契約説の3人と著作をそれぞれ答えよ。
A. ホッブズ『リヴァイアサン』・ロック『統治二論』・ルソー『社会契約論』
Q6. 思想史を理解する枠組みを一言で。
A. その時代の人々が何に困っていたかへの答えとして生まれる

よくある質問

人間科学部の世界史は特殊ですか?
基本方針は他学部と同じで標準レベルを穴なく仕上げることです。ただし学部の性格から社会史・思想史の視点を持っておくと、理解が深まり記憶も定着します。
社会史の視点とは何ですか?
王朝や戦争ではなく「人々がどう暮らし、何を信じていたか」から歴史を見る視点です。この見方は暗記量を減らします。1つの因果で複数の用語が同時に定着するためです。
思想史が覚えられません。
人物と著作を単独で覚えるのをやめ、「その時代の何に答えた思想か」で整理してください。ポリスの崩壊→ストア派、産業革命の貧困→社会主義、という形です。
他学部との併願はどうしますか?
社会史・思想史の視点は文学部・文化構想学部との相性が特に良いです。教育学部と併願するなら「全範囲を穴なく」という土台が共通します。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

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