共通テスト世界史の3か月計画|10月から本番までの設計

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共通テストの世界史は、直前3か月の使い方で点が動きやすい科目です。知識を増やすより、持っている知識を資料と結びつける訓練の比重が大きいためです。この記事は出題の分析ではなく、10月から本番までの週単位の行動を示します。
3か月を3期に分ける
一言でいうと残り3か月の設計は10月=穴の特定/11月=穴の補修と読み取りの訓練/12月〜直前=形式への適応の3期に分ける。知識を増やす期間と、使い方を訓練する期間を混ぜないのが要点である。
| 時期 | 目的 | この期の合格ライン |
|---|---|---|
| 10月 | 穴を特定する | 崩れる分野が具体的に言える |
| 11月 | 穴を埋め、読み取りを訓練する | 資料つきの設問で手が止まらない |
| 12月〜直前 | 形式に適応する | 時間内に最後まで解き切れる |
- 多くの受験生は3か月ずっと同じことをする。問題集を解き、間違えた語を覚え直す——これを繰り返す。
- しかしこの方法では読み取りの訓練にも、時間配分の訓練にもならない。
- 共通テストで問われるのは知識そのものより、知識を資料や文章と照合する作業である。
- したがって知識の補修は11月で切り上げ、12月からは形式への適応に移す。
- この切り替えを予定に書いておかないと、直前まで知識の補修を続けてしまう。
- 残り時間が少ないほど、やることを絞る判断が効いてくる。
「増やす」から「使う」への切り替え12月に入ったら、新しい知識を増やす作業は原則として終わりにしてください。そこからは持っている知識を、設問の形で取り出す訓練に切り替えます。この切り替えの日付を、いま決めてしまうことをおすすめします。
この記事は計画のみを扱う設問の型ごとの解き方については、対策を扱った記事を参照してください。この記事はいつ何をするかだけを示します。両方そろうと、行動が具体的に決まります。
10月 — 穴を特定する
- 第1週:本番形式の問題を1回、時間を計って解く。点数は問わない。
- 解いたら間違いを3つに分類する。①知らなかった ②知っていたが結びつかなかった ③時間が足りなかった。
- この分類が3か月の設計図になる。①が多いなら知識、②なら読み取り、③なら形式の問題である。
- 第2〜3週:一問一答で全範囲を1回通す。通史の順にやる必要はない。
- 崩れた分野を紙に書き出す。分野名だけでよい。これが補修対象になる。
- 第4週:書き出した分野のうち、入試での比重が大きい範囲から教科書に戻る。
- 戻るのは教科書であって、用語集ではない。用語集は引く道具にとどめる。
間違いを3つに分類する「知らなかった」「知っていたが結びつかなかった」「時間が足りなかった」——この分類が最初の作業です。同じ失点でも処方がまったく違います。②が多い人が知識を増やしても、点は動きません。
全範囲を均等に戻らない10月に教科書を最初から読み直すと、それだけで3か月が終わります。戻るのは書き出した分野だけ。全範囲の読み直しは、この時期には選択肢に入りません。
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11月 — 穴を埋め、読み取りを訓練する
- 第1〜2週:10月に書き出した分野を補修する。1分野あたり2日を上限にする。
- 補修の形は教科書を読む → 閉じて因果を一文で言う → 一問一答で確認の3段階。
- 第3〜4週:資料つきの設問を集中的に演習する。グラフ・地図・史料・年表を含む問題を選ぶ。
- 資料問題で意識するのは「資料のどこを見れば答えが決まるか」である。全体を読まない。
- 選択肢の誤りの型を主体の入れ替え・時代の入れ替え・因果の逆転・程度の誇張で分類する。
- この4型で説明できるようになると、迷う選択肢が減る。
- 11月末にもう一度、本番形式を時間を計って解く。10月からの変化を測る。
| 週 | 作業 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1〜2週 | 分野の補修(1分野2日) | 閉じて因果を一文で言えるか |
| 3〜4週 | 資料つき設問の演習 | 資料のどこを見るかが決まるか |
| 月末 | 本番形式を時間を計って | 10月からの変化 |
資料は「全部読まない」資料問題で時間を落とす人の多くは、資料を全部読んでいます。実際には設問を先に読み、資料の中で照合すべき箇所だけを見るのが正しい順序です。この順序を11月のうちに身体に入れてください。
12月〜直前 — 形式に適応する
- 12月第1〜2週:本番形式を週2回、時間を計って解く。ここからは知識を増やさない。
- 解いたあとは時間配分の記録を残す。どの大問に何分かかったかを書く。
- 12月第3〜4週:時間配分を固定する。大問ごとの目安時間を決め、そのとおりに解く練習をする。
- 配分を決めておくと、本番で迷ったときに切り上げる判断ができる。
- 1月(直前):新しい問題には手を出さない。これまで解いた問題の間違いだけを見直す。
- 見直すのは誤答の型である。個別の用語ではない。
- 前日は一問一答を1回通すだけでよい。詰め込みは当日の判断力を下げる。
配分を決めると「切り上げられる」時間が足りなくなる人の多くは、分からない問題で粘っています。大問ごとの目安時間を決めておくと、「この時間を過ぎたら次へ行く」という判断が機械的にできます。これだけで最後まで解き切れるようになります。
直前に新しい問題を解かない1月に新しい問題集を始めると、できない問題に出会って不安になるだけです。直前期に効くのは自分が間違えた問題の見直し。しかも見直すのは用語ではなく誤答の型です。
入試で狙われるポイント総覧
- 3か月は穴の特定・補修と読み取り・形式への適応の3期
- 知識を増やす期間と使い方を訓練する期間を混ぜない
- 10月第1週に本番形式を1回解いて分類する
- 分類=知らなかった/結びつかなかった/時間が足りなかった
- 10月に全範囲を読み直さない——書き出した分野だけ
- 補修は読む→閉じて一文→一問一答の3段階
- 資料は全部読まない。設問を先に読み、照合箇所だけ見る
- 誤答は主体・時代・因果・程度の4型で分類する
- 12月から知識を増やさない。形式への適応へ切り替える
- 大問ごとの目安時間を決めると切り上げられる
今週やること本番形式の問題を1回、時間を計って解いてください。点数は見なくて構いません。間違いを3つに分類する——そこから3か月の設計が始まります。
この記事の一問一答(確認テスト)
- Q1. 残り3か月を分ける3期と、それぞれの目的を答えよ。
- A. 10月=穴の特定、11月=補修と読み取り、12月以降=形式への適応
- Q2. 10月第1週に解いた問題の間違いを分類する3区分を答えよ。
- A. 知らなかった・知っていたが結びつかなかった・時間が足りなかった
- Q3. 11月の補修で行う3段階を答えよ。
- A. 教科書を読む→閉じて因果を一文で言う→一問一答で確認
- Q4. 資料問題を解くときの正しい順序を答えよ。
- A. 設問を先に読み、資料の中で照合すべき箇所だけを見る
- Q5. 誤答の型を4つ答えよ。
- A. 主体の入れ替え・時代の入れ替え・因果の逆転・程度の誇張
- Q6. 12月以降にやめることを答えよ。
- A. 新しい知識を増やす作業
よくある質問
- 3か月で間に合いますか?
- 共通テストは直前3か月で点が動きやすい科目です。知識を増やすより、持っている知識を資料と結びつける訓練の比重が大きいためです。ただし期ごとに作業を切り替えることが前提になります。
- まだ知識に穴があるのですが、12月も補修を続けるべきですか?
- 原則として11月で切り上げてください。直前まで補修を続けると、時間配分の訓練も読み取りの訓練もできないまま本番を迎えます。切り替えの日付を先に決めておくのが有効です。
- 資料問題で時間が足りません。
- 資料を全部読んでいる可能性が高いです。設問を先に読み、資料の中で照合すべき箇所だけを見る順序に変えてください。11月のうちに身体に入れておくと、直前期が楽になります。
- 直前期は何をすればよいですか?
- 新しい問題には手を出さず、これまで間違えた問題を見直してください。見直すのは個別の用語ではなく誤答の型です。前日は一問一答を1回通す程度で十分です。
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この記事について
世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。
藤
藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。
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