第二次世界大戦とは?開戦から戦後秩序までを一本で理解する

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第二次世界大戦は、「なぜ20年で二度目の大戦になったのか」という問いから理解すべき戦争です。答えはヴェルサイユ体制の欠陥と世界恐慌にあります。戦闘の経過より、戦争が生んだ戦後秩序(国際連合・冷戦・脱植民地化)まで押さえるのが入試の要点です。
開戦までの道 — 20年で二度目になった理由
- ヴェルサイユ体制の欠陥 — ドイツへの過酷な賠償、アメリカ不参加による国際連盟の機能不全、民族自決がヨーロッパに限定されたこと。
- 世界恐慌(1929年)— 1920年代の国際協調(ロカルノ条約・不戦条約)が崩れ、各国が自国優先へ転じた。
- 持たざる国の選択 — 広い市場を持たないドイツ・イタリア・日本が対外侵略に活路を求めた。
- 国際連盟の無力 — 満州事変(1931年)にもエチオピア侵攻(1935年)にも有効な措置を取れなかった。
- スペイン内戦(1936〜39年)— 独伊がフランコを支援、英仏は不介入。枢軸の結束と民主主義諸国の消極性が明らかになった。
- 宥和政策 — ミュンヘン会談(1938年)でズデーテン地方の割譲を認め、ヒトラーの拡大を許した。
- 独ソ不可侵条約(1939年8月)— 思想的に対立する両国の提携は世界を驚かせた。ポーランド分割の密約を含む。
- 1939年9月1日、ドイツのポーランド侵攻。英仏が宣戦し開戦した。
宥和政策はなぜ採られたのか戦争を避けたい世論に加え、共産主義ソ連への警戒からドイツを防波堤にしようとした思惑がありました。「弱腰だったから」で終わらせず、反共という動機まで書けると論述の評価が上がります。
経過 — 3つの局面で押さえる
① 枢軸国の優勢(1939〜41)
- ドイツが電撃戦でポーランド・デンマーク・ノルウェー・オランダ・ベルギーを制圧し、パリを占領(1940年)
- フランスは北部を占領され、南部に対独協力のヴィシー政府が成立。ド=ゴールがロンドンで自由フランスを組織し抵抗を呼びかけた
- イギリスはチャーチルのもとで本土空襲に耐え、屈しなかった
- 1941年6月、独ソ戦開始(独ソ不可侵条約を破棄)
- 1941年12月、日本の参戦により戦争が世界規模となった
② 転換(1942〜43)
- スターリングラードの戦い(1942〜43年)でドイツが大敗し、東部戦線が反転
- ミッドウェー海戦(1942年)で日本が主力空母を失う
- イタリアが降伏(1943年)
- 占領地ではレジスタンス(対独抵抗運動)が広がった
③ 連合国の勝利(1944〜45)
- ノルマンディー上陸作戦(1944年6月)— 西部に第二戦線が開かれ、パリが解放された
- ヤルタ会談(1945年2月)— ローズヴェルト・チャーチル・スターリンがドイツの戦後処理とソ連の対日参戦を決定
- 1945年5月、ドイツ降伏
- ポツダム会談・宣言を経て、原爆投下とソ連参戦を受けて日本が降伏し、1945年8月に終戦
会談は必ず整理する大西洋憲章(1941・戦後構想)→ カイロ会談(対日方針)→ テヘラン会談(第二戦線)→ ヤルタ会談(戦後処理とソ連の対日参戦)→ ポツダム会談(対日降伏勧告)。会談名・参加者・決定事項の3点セットで問われます。とくにヤルタは冷戦の起点としても重要です。
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この戦争が「新しかった」点
第一次世界大戦との違いを問う出題は定番です。次の4点で整理してください。
| 観点 | 第一次世界大戦 | 第二次世界大戦 |
|---|---|---|
| 性格 | 帝国主義諸国の勢力争い | ファシズム対反ファシズムという理念の対立も加わる |
| 戦場 | 主にヨーロッパ | ヨーロッパ・アジア・アフリカ・太平洋の全世界 |
| 犠牲 | 軍人が中心 | 民間人の犠牲が軍人を上回る(都市空襲・ホロコースト・原爆) |
| 技術 | 機関銃・毒ガス・戦車 | 航空機・レーダー・ロケット・核兵器 |
ホロコーストナチス=ドイツによるユダヤ人などへの組織的な迫害と大量殺戮です。国家が近代的な官僚機構と技術を用いて人間を大量に殺害したという点で、20世紀を象徴する出来事とされます。戦後、この反省から世界人権宣言(1948年)が採択されました。
また、この戦争が核兵器を生んだことは決定的です。以後の国際関係は、「核を持つ大国は直接戦争できない」という前提の上に組み立てられます。これが冷戦を「冷たい」ものにした理由です。
戦後秩序 — 3つの帰結
① 国際連合の成立
| 国際連盟 | 国際連合 | |
|---|---|---|
| 加盟 | アメリカ不参加 | 米ソを含む5大国が常任理事国 |
| 議決 | 全会一致 | 多数決(安保理は5大国に拒否権) |
| 制裁 | 経済制裁のみ | 軍事的措置が可能 |
国際連合は国際連盟の失敗を1つずつ修正して設計されました。ただし拒否権のため、冷戦期には米ソ対立で安保理が機能停止することが多く、新たな限界も生じます。
② 冷戦の始まり
戦時中の米ソの協力は、共通の敵を失うと対立に転じました。ヤルタ会談で生じた東欧をめぐる対立が表面化し、1947年のトルーマン=ドクトリンとマーシャル=プランで冷戦が本格化します。
③ 脱植民地化
- ヨーロッパ諸国が疲弊し、植民地を維持する力を失った
- 戦争に動員された植民地の人々が自治や独立を要求した
- 日本の占領がアジアでヨーロッパ支配の権威を崩した
- 大西洋憲章の民族自決の理念が独立運動を後押しした
- 結果、インド・パキスタン(1947)、インドネシア、ベトナムなどが独立し、1960年のアフリカの年へ続いた
論述の型「第二次世界大戦が世界に与えた影響を述べよ」では、①国際連合という新しい国際秩序 ②米ソ二極の冷戦構造 ③アジア・アフリカの脱植民地化の3点で書きます。この3つはいずれも「ヨーロッパが世界の中心ではなくなった」という一点に収束します。日本世界史塾では、この収束を現代史の到達点として教えています。
入試で狙われるポイント総覧
- 開戦は1939年9月、ドイツのポーランド侵攻
- 背景=ヴェルサイユ体制の欠陥+世界恐慌+宥和政策
- 独ソ不可侵条約(1939年8月)
- 転換点=スターリングラードの戦いとミッドウェー海戦
- ノルマンディー上陸作戦(1944年)
- 会談=大西洋憲章・カイロ・テヘラン・ヤルタ・ポツダム
- 国際連合=多数決・拒否権・軍事的措置
- 戦後=冷戦と脱植民地化
共通テストでの出方「ヤルタ会談で国際連合の設立が決まった」はやや不正確(構想は大西洋憲章から段階的に固まり、正式発足は1945年10月)。「独ソ不可侵条約は開戦後に結ばれた」は誤り(開戦直前の1939年8月)。会談の順序と決定事項を年表で固めてください。
この記事の一問一答(確認テスト)
- Q1. 第二次世界大戦の開戦のきっかけとなった出来事と年月は。
- A. ドイツのポーランド侵攻、1939年9月
- Q2. 1938年に英仏がヒトラーの要求を認めた会談は。
- A. ミュンヘン会談
- Q3. 東部戦線の転換点となった戦いは。
- A. スターリングラードの戦い
- Q4. 1944年に西部に第二戦線を開いた作戦は。
- A. ノルマンディー上陸作戦
- Q5. ヤルタ会談の参加者3名を答えよ。
- A. ローズヴェルト・チャーチル・スターリン
- Q6. 国際連合が国際連盟から改めた点を3つ答えよ。
- A. 米ソを含む5大国の常任理事国化・多数決制・軍事的措置の導入
よくある質問
- なぜ20年で二度目の大戦になったのですか?
- ヴェルサイユ体制がドイツに過酷な賠償を課し、国際連盟が機能不全だったところに世界恐慌が重なり、市場を持たない国が対外侵略に向かったためです。
- 宥和政策はなぜ失敗したのですか?
- ヒトラーの要求を認めれば戦争を避けられると考えましたが、要求は拡大し続けました。背景には共産主義ソ連への警戒からドイツを利用しようとする思惑もありました。
- 第一次世界大戦との違いは何ですか?
- ①ファシズム対反ファシズムという理念の対立 ②全世界が戦場 ③民間人の犠牲が軍人を上回る ④核兵器の登場の4点です。
- 戦後の脱植民地化はなぜ進んだのですか?
- ヨーロッパ諸国が疲弊して植民地を維持できなくなったこと、動員された植民地の人々が独立を要求したこと、そして大西洋憲章の民族自決の理念が後押ししたためです。
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この記事について
世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。
藤
藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。
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