世界史の流れの覚え方|「流れ」とは因果の連鎖のこと

世界史の流れの覚え方|「流れ」とは因果の連鎖のこと
日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応

「流れをつかめ」と言われても、何をすれば流れをつかんだことになるのか——ここが曖昧なまま時間だけが過ぎます。答えは明確です。流れとは「出来事の順番」ではなく「なぜ次が起きたかという因果の連鎖」順番を覚えるのではなく、矢印でつなぐ。その具体的な手順を示します。

「流れ」の正体 — 順番ではなく因果

一言でいうと世界史でいう「流れ」とは、出来事どうしを「なぜ」でつないだ因果の連鎖のこと。年代順に並べただけでは流れをつかんだことにならない。
順番で覚える 因果でつなぐ
覚え方 A→B→C と並べる Aが起きたからBが起きた
忘れたとき 思い出せない 前後から復元できる
設問対応 並べ替えのみ 理由・影響・論述に対応
応用 きかない 別の地域・時代にも使える
  1. 「順番で覚える」は、鎖の輪を1つ落とすと全部が切れる覚え方である。
  2. 「因果でつなぐ」は、1つ忘れても前後から復元できる
  3. しかも入試は「なぜ」「その結果」を問うため、因果でつないだ知識でなければ使えない。
  4. たとえば「三十年戦争 → ウェストファリア条約」を順番で覚えても点にならない。
  5. 「宗教対立が国家間の勢力争いに変質したから、宗教ではなく主権を基準にする秩序が生まれた」——これが流れである。
  6. つまり流れをつかむとは、矢印の中身を言葉にできることである。
確認のしかた「AとBの間に矢印を引いて、その矢印を一文で説明できるか」——これが流れをつかめたかどうかの唯一の検査です。説明できなければ、まだ順番を覚えているだけです。日本世界史塾では、授業のたびにこの一文を言わせます。
「なんとなく分かった」を疑う教科書を読むと分かった気になりますが、それは書き手の因果を借りているだけです。本を閉じて自分の言葉で矢印を説明できるか——ここで初めて自分の知識になります。

手順1 — 大きな塊に切る

  1. 最初から細かく追うと、必ず途中で迷子になる。
  2. そこでまず大きな塊に切る
  3. ヨーロッパなら古代 → 中世 → 近世 → 近代 → 現代の5つ。
  4. 中国なら殷周 → 春秋戦国・秦漢 → 魏晋南北朝・隋唐 → 宋元 → 明清の5つ。
  5. それぞれの塊に一言の見出しをつける。
  6. たとえば中世ヨーロッパなら「教会と封建領主の時代」、近世なら「主権国家が生まれる時代」
  7. この見出しが、細かい知識を吊るすフックになる。
時代 一言でいうと
古代ヨーロッパ ポリスと帝国——市民が国を担い、やがて帝国に飲み込まれる
中世ヨーロッパ 教会と封建領主——王権は弱く、権威は教会にある
近世ヨーロッパ 主権国家の誕生——宗教より国家の利害が優先される
近代ヨーロッパ 市民と産業——身分制が壊れ、工業が世界を変える
現代 総力戦と冷戦——国家が総動員し、世界が二極化する
「塊の見出し」が最強の武器細かい用語を忘れても、時代の見出しを覚えていれば、答えの方向を外しません。「この時代は何が中心だったか」を言えることが、論述でも選択肢の判断でも効きます。
世界史の学習情報をLINEで受け取る

年号の覚え方・論述の型・入試分析を無料で配信しています。

LINE友だち追加(無料)

手順2 — 塊の中を「原因・出来事・結果」で三分する

  1. 塊の中の主要な出来事について、原因・出来事・結果の3つを書き出す。
  2. このとき原因と結果は必ず一文で書く。長く書くと覚えられない。
  3. たとえばフランス革命なら——
  4. 原因=身分制の矛盾と財政の破綻、啓蒙思想の広まり。
  5. 出来事=三部会 → バスティーユ → 人権宣言 → 恐怖政治 → ナポレオン。
  6. 結果=身分制の解体とナポレオン戦争によるヨーロッパへの波及。
  7. この3点セットが書ければ、その出来事は「流れの中に置けた」ことになる。
結果は「次の原因」になるある出来事の結果は、次の出来事の原因になります。フランス革命の結果(ナポレオン戦争)→ ウィーン体制の原因この連結が続くのが「流れ」です。結果を書いたら、それが何の原因になったかを必ず考えてください。
原因は複数書く原因を1つだけ書くと、単純化した理解になります。「経済的な原因・政治的な原因・思想的な原因」のように層に分けて2〜3個挙げる癖をつけると、論述でそのまま使えます。

手順3 — 地図とヨコで確認する

  1. 因果でつないだあと、地図で位置を確認する。
  2. 「なぜそこで起きたのか」は、多くの場合、地理で説明できる。
  3. 海峡・河川・草原・砂漠——地形が交通と交易を決め、それが歴史を決める
  4. 次に同時代のヨコを確認する。
  5. 「このとき、他の地域では何が起きていたか」を1つ言えるようにする。
  6. たとえばゲルマン人の大移動のとき、中国では南北朝——どちらも北方民族の移動である。
  7. タテ(地域の流れ)とヨコ(同時代)が交わったとき、流れは立体になる
確認の観点 問い
因果 なぜ次が起きたのか
地理 なぜその場所で起きたのか
同時代 そのとき他の地域では何が起きていたか
比較 似た出来事は他にないか
4つの問いで一周する因果・地理・同時代・比較——この4つを毎回問えば、同じ範囲を4方向から見ることになります。4回別々に暗記するより、1回を4方向から見る方が、はるかに定着します。

つまずいたときの対処

症状 原因 対処
読んでも頭に入らない 塊の見出しがない 時代に一言の見出しをつける
順番は言えるが理由が言えない 因果でつないでいない 矢印を一文で説明する練習
地域がごちゃ混ぜになる タテで通していない 地域ごとに一本ずつ通す
同時代が分からない ヨコを見ていない 年表を横に並べる
覚えたのに解けない 問われ方を知らない 過去問を1年分解く
  1. まずどの症状かを特定する。
  2. 対処法は症状ごとに違うため、やみくもに教材を増やしても解決しない
  3. 多くの場合、原因は「一周目に完璧を求めて途中で止まっている」ことにある。
  4. その場合は精度を落として最後まで通すのが正解である。
  5. 一周目を終えると、二周目の理解の速度がまったく違う
「流れ」が分かると加速する世界史は、理解が進むほど加速する科目です。因果でつながると、新しい出来事も既知の型に当てはめて理解できるようになります。「上からの近代化」「共通の敵がある間だけ続く同盟」「法的平等と実質的平等」——こうした型を1つ持つごとに、覚える量が減ります。
止まったら相談する独学で最も多い失敗は、つまずきの原因を自己診断できずに時間を失うことです。日本世界史塾では、体験授業で現在の答案と学習状況から、どの症状かを特定します。
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 世界史でいう「流れ」とは何か。
A. 出来事どうしを「なぜ」でつないだ因果の連鎖
Q2. 流れをつかめたかどうかを確認する方法を答えよ。
A. 出来事の間に引いた矢印を、一文で説明できるかどうか
Q3. 塊に切るとき、各時代につけるものは何か。
A. その時代を一言で表す見出し
Q4. 出来事を流れに置くための3点セットを答えよ。
A. 原因・出来事・結果
Q5. ある出来事の結果は、次に何になるか。
A. 次の出来事の原因
Q6. 同じ範囲を見るときの4つの問いを答えよ。
A. 因果・地理・同時代・比較

よくある質問

「流れをつかめ」と言われても意味が分かりません。
流れとは出来事の順番ではなく、「なぜ次が起きたか」という因果の連鎖です。AとBの間に矢印を引いて、その矢印を一文で説明できるかが唯一の検査になります。
流れを覚える具体的な手順は?
①大きな塊に切って一言の見出しをつける ②塊の中を原因・出来事・結果で三分する ③地図と同時代のヨコで確認する——この3手順です。
原因はいくつ挙げればよいですか?
2〜3個です。経済的・政治的・思想的というように層に分けて挙げる癖をつけると、そのまま論述に使えます。1つだけだと単純化した理解になります。
読んでも頭に入らないときはどうすればよいですか?
時代に一言の見出しをつけてください。細かい知識を吊るすフックがない状態では、いくら読んでも定着しません。また一周目に完璧を求めず、精度を落として最後まで通すことが重要です。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

講師紹介をくわしく見る

世界史を「暗記科目」から「得点源」に変える

日本世界史塾は、担任制マンツーマンの世界史専門オンライン塾です。
まずは体験授業で、あなたの答案と勉強法を直接診断します。

体験授業に申し込む(3,300円・税込)
入塾を前提とした勧誘は行いません/全国・海外から受講可

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です