世界史の地図対策|出る地名は決まっている

日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応
地図問題は「覚える量が多い」のではなく、「出る場所が決まっている」だけです。河川・海峡・半島・都市・境界線——出題される地名は、歴史上の意味を持つ場所に集中しています。「なぜその場所が重要なのか」から覚えれば、地名は理屈で思い出せます。地域別に一気に整理します。
この記事でわかること
覚え方の原則 — 意味から場所へ
一言でいうと世界史の設問で問われる地理的な要素。河川・海峡・半島・都市・境界線が中心で、いずれも歴史上の役割を持つ場所である。
| 種類 | なぜ問われるか | 例 |
|---|---|---|
| 河川 | 文明の発祥と交通路 | ナイル・ティグリス・インダス・黄河 |
| 海峡 | 交通の要衝——押さえれば制圧できる | マラッカ・ジブラルタル・ボスフォラス |
| 半島 | 大陸と海の接点 | バルカン・イベリア・朝鮮 |
| 都市 | 首都・交易の拠点・条約の締結地 | 長安・バグダード・ヴェネツィア |
| 境界線 | 分断と対立 | 北緯38度線・エルベ川 |
- 地名は単独で覚えず、出来事とセットにする。
- 「なぜその場所か」を説明できれば、位置も思い出せる。
- 河川は文明、海峡は交通、都市は条約——種類ごとに問われ方が決まっている。
- 条約の締結地は、それ自体が問われることが多い。
- 分割や分断の線は、なぜそこに引かれたかとセットで押さえる。
「海峡を押さえる者が交易を握る」マラッカ海峡=インド洋と南シナ海/ボスフォラス海峡=黒海と地中海/ジブラルタル海峡=大西洋と地中海。「狭い場所を押さえれば、広い海の交通を制圧できる」——だからマラッカをポルトガルが占領し、ロシアはボスフォラス通過を求めたのです。日本世界史塾では、地図を「戦略の説明」として教えます。
運河も同じ論理スエズ運河(ヨーロッパとアジア)とパナマ運河(大西洋と太平洋)は、人工的に作られた要衝です。イギリスがスエズの株式を取得し、アメリカがパナマを建設した——覇権国が要衝を押さえるという原則で覚えてください。
地域別の頻出地名
| 地域 | 頻出の地名と、その理由 |
|---|---|
| オリエント | ティグリス・ユーフラテス(メソポタミア)、ナイル(エジプト)、シナイ半島 |
| ギリシア・ローマ | アテネ・スパルタ、マラトン・サラミス(ペルシア戦争)、カルタゴ(ポエニ戦争) |
| 中国 | 長安・洛陽・開封・北京、黄河・長江、大運河 |
| インド | インダス・ガンジス、パータリプトラ、デカン高原 |
| イスラーム | メッカ・メディナ、ダマスクス・バグダード、コルドバ |
| 中世ヨーロッパ | ローマ・アヴィニョン、ヴェネツィア・ジェノヴァ・フィレンツェ、リューベック |
| 東南アジア | マラッカ、ジャワ・スマトラ、アンコール |
- 長安は唐の都で、東西交易路の終着点であった。
- 開封は宋の都で、大運河の結節点にあたる。
- 北京は元・明・清の都で、北方への備えという性格を持つ。
- アヴィニョンは教皇のバビロン捕囚の地である。
- ヴェネツィア・ジェノヴァは東方貿易、リューベックはハンザ同盟の盟主。
- コルドバは後ウマイヤ朝の都で、学問の中心であった。
- マラッカはインド洋と南シナ海の結節点である。
「都の移動には理由がある」長安(西・交易路)→ 開封(大運河の結節点)→ 北京(北方への備え)。「都の位置が、その王朝が何を重視したかを示す」——ペテルブルクへの遷都(西欧志向)と同じ読み方です。地図から政治の方向が読めると、資料問題で強い。
条約の締結地は必出ウェストファリア・ユトレヒト・ウィーン・パリ・ベルリン・ヴェルサイユ・ワシントン・ヤルタ・ポツダム・サンフランシスコ・マーストリヒト。「どの条約がどこで結ばれたか」は毎年どこかで問われます。
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近現代 — 線と拠点
| 線・拠点 | 意味 |
|---|---|
| 北緯38度線 | 朝鮮半島の米ソ占領分担 → 分断 |
| 北緯17度線 | ベトナムの南北分断(ジュネーヴ休戦協定) |
| ベルリンの壁 | 東西冷戦の象徴 |
| スエズ運河 | ヨーロッパとアジアを結ぶ、イギリスの生命線 |
| パナマ運河 | 大西洋と太平洋を結ぶ、アメリカが建設 |
| ファショダ | 英仏の縦断・横断政策が衝突した地点 |
| サライェヴォ | 第一次世界大戦の契機となった事件の地 |
- 3C政策=カイロ・ケープタウン・カルカッタを結ぶイギリスの縦断政策。
- 3B政策=ベルリン・ビザンティウム・バグダードを結ぶドイツの政策。
- この2つが西アジアで交差し、英独の対立を生んだ。
- アフリカ分割では、イギリスが縦断、フランスが横断し、ファショダで衝突した。
- 中国では膠州湾(独)・旅順と大連(露)・威海衛と九竜(英)・広州湾(仏)が租借された。
- 冷戦では、ヨーロッパの東西の境界と、朝鮮半島・ベトナム・ドイツの分断線が焦点となった。
「3Cと3Bは頭文字で覚える」3C=カイロ・ケープタウン・カルカッタ(イギリス)/3B=ベルリン・ビザンティウム・バグダード(ドイツ)。「2つが西アジアで交差したことが、英独対立の一因」——地図上で線を引けば、対立の理由が一目で分かります。
租借地の組み合わせ膠州湾=ドイツ/旅順・大連=ロシア/威海衛・九竜半島=イギリス/広州湾=フランス。この対応は毎年のように問われます。あわせて門戸開放宣言(アメリカ)が出遅れた立場からの主張であることも押さえてください。
地図問題の解き方
- まず時代を特定する——地図の国境や地名の表記から、いつの地図かを判断する。
- 基準となる地形を探す——地中海・黒海・アラビア半島・インド半島など、変わらないものを手がかりにする。
- 設問の出来事と結びつく場所を絞り込む。
- 条約の締結地・戦いの地・首都は、出来事とセットで覚えているはずである。
- 選択肢を消す——明らかに時代が合わない地名を先に外す。
| 問われ方 | 対策 |
|---|---|
| この出来事が起きた場所は? | 出来事と地名をセットで覚える |
| この王朝の領域は? | 最大領域の目安を押さえる |
| この交易路は? | 3本の道(草原・オアシス・海)で判別 |
| この線は何の境界? | 分断線のリストを持つ |
| 資料の都市はどこ? | 河川・海との位置関係で判断 |
「変わらないものを手がかりに」国境や国名は変わりますが、地中海・黒海・アラビア半島・ヒマラヤは変わりません。「変わらない地形を基準に、変わるものを位置づける」——これが地図問題の基本の解き方です。
白地図で確認する教科書の地図を眺めるだけでは覚えられません。白地図に自分で書き込む——河川・海峡・都市・境界線を、出来事とセットで1枚に落とすのが最も効率的です。日本世界史塾では、地域別の白地図を作らせています。
入試で狙われるポイント総覧
- 海峡=交通の要衝(マラッカ・ボスフォラス・ジブラルタル)
- 運河=スエズ(イギリス)・パナマ(アメリカ)
- 中国の都=長安・開封・北京、それぞれ立地に理由がある
- アヴィニョン=教皇のバビロン捕囚
- 3C政策(英)と3B政策(独)が西アジアで交差
- ファショダ=英仏の縦断・横断政策の衝突点
- 租借地=膠州湾(独)・旅順と大連(露)・威海衛と九竜(英)・広州湾(仏)
- 分断線=北緯38度線・北緯17度線・ベルリンの壁
- 条約の締結地は必出
共通テストでの出方「3B政策はイギリスの政策」は誤り(ドイツ。イギリスは3C)。「膠州湾はイギリスの租借地」も誤り(ドイツ)。「ファショダはアジアにある」も誤り(アフリカのスーダン)。政策と国、租借地と国の対応が最頻出です。
この記事の一問一答(確認テスト)
- Q1. インド洋と南シナ海を結ぶ海峡と、そこにあった港市を答えよ。
- A. マラッカ海峡、マラッカ王国
- Q2. 唐・宋・元明清の都をそれぞれ答えよ。
- A. 長安・開封・北京
- Q3. 3C政策と3B政策の都市と、それぞれの国を答えよ。
- A. カイロ・ケープタウン・カルカッタ(イギリス)、ベルリン・ビザンティウム・バグダード(ドイツ)
- Q4. 英仏の縦断政策と横断政策が衝突した地点は。
- A. ファショダ
- Q5. 膠州湾・旅順と大連・威海衛・広州湾を租借した国をそれぞれ答えよ。
- A. ドイツ・ロシア・イギリス・フランス
- Q6. 朝鮮半島とベトナムの分断線をそれぞれ答えよ。
- A. 北緯38度線と北緯17度線
よくある質問
- 地図問題はどう対策すればよいですか?
- 「なぜその場所が重要なのか」から覚えてください。河川は文明、海峡は交通、都市は条約——種類ごとに問われ方が決まっています。地名を単独で覚えず、出来事とセットにするのが基本です。
- なぜ海峡が問われるのですか?
- 狭い場所を押さえれば、広い海の交通を制圧できるからです。マラッカをポルトガルが占領し、ロシアがボスフォラス通過を求めたのも同じ論理です。運河も人工的に作られた要衝です。
- 都の位置に意味はありますか?
- あります。長安は交易路の終着点、開封は大運河の結節点、北京は北方への備え——都の位置がその王朝の重視したものを示します。ペテルブルクへの遷都(西欧志向)と同じ読み方です。
- 地図問題の解き方のコツは?
- 変わらない地形を基準にしてください。国境や国名は変わりますが、地中海・黒海・アラビア半島は変わりません。白地図に出来事とセットで書き込むのが最も効率的です。
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この記事について
世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。
藤
藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。
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