世界史の参考書の選び方|役割で選ぶと、迷わなくなる

世界史の参考書の選び方|役割で選ぶと、迷わなくなる
日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応

参考書選びで失敗する人は「良い参考書」を探しています。しかし世界史の参考書には4つの役割があり、役割の違うものを比べても意味がありません通史・用語・演習・資料——いま自分に足りない役割はどれかを先に決める。その順序を示します。

参考書は4つの役割に分かれる

一言でいうと世界史の教材は通史(流れを理解する)・用語(知識を定着させる)・演習(設問で使えるようにする)・資料(地図と図版で確認する)の4つの役割に分かれる。役割の違う教材を比較しても意味がない。
役割 担うもの 使う時期
通史 教科書または通史の講義系参考書 最初から最後まで
用語 一問一答・用語集 通史を一周した後
演習 問題集・過去問 用語がある程度入った後
資料 地図帳・図説 常に横に置く
  1. この4つのうち、同時に進めるのは「通史」と「資料」だけである。
  2. 通史を終える前に一問一答を始めると、流れが分からないまま用語だけが増える
  3. 用語が入る前に演習を始めると、解けないまま時間だけが過ぎる
  4. つまり順序がある。この順序を守るだけで、教材選びの迷いは大きく減る。
  5. そして各役割につき教材は1冊に絞る。
  6. 複数を並行すると、進度が出ないまま「やった気」だけが残る。
「どれが良いか」より「いま何が要るか」参考書の質より、いま必要な役割を選べているかの方が結果を左右します。「通史が終わっていないのに一問一答を買う」——これが最も多い失敗です。日本世界史塾では、体験授業で現在地を確認してから教材を1つに絞ります。
「みんなが使っている」で選ばない同じ教材でも、通史を終えた人と終えていない人では効果がまったく違います。評判ではなく、自分の段階で選んでください。

通史 — 教科書か、講義系か

教科書 講義系の参考書
文体 簡潔で情報密度が高い 話し言葉で読みやすい
因果の説明 省略されがち 厚く説明される
分量 少ない 多い(複数冊)
向く人 学校の授業がある人 独学の人・初学者
入試との距離 そのまま出題の基準 理解の補助
  1. 最終的には教科書に戻る。入試問題は教科書の記述を基準に作られているためである。
  2. ただし初学者がいきなり教科書を読んでも因果が読み取れないことが多い。
  3. その場合は講義系で一周してから、教科書で確認する順序がよい。
  4. 学校の授業がしっかりある人は、教科書+授業で十分である。
  5. 講義系を使う場合も、1つのシリーズに絞る
  6. 通史は速度を優先し、一周目で完璧を求めない。
教科書に戻る理由入試の正誤判定は、教科書の記述の範囲で判断できるように作られています。教科書に書かれていないことは、原則として出題されません。だから最後は教科書の記述に合わせて知識を整えるのが安全です。
講義系を全部読もうとしない講義系は分量が多く、通読に時間がかかります。一周目は太字と因果の説明だけを追い、細部は二周目に回す——この読み方でないと終わりません。
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用語 — 一問一答の正しい使い方

  1. 一問一答は知識を「確認する」道具であり、「覚える」道具ではない。
  2. 通史を一周した後に使うと、すでに知っている用語の確認になり、定着が進む。
  3. 通史の前に使うと、意味の分からない語を丸暗記することになり、応用が効かない。
  4. 使うときは答えから問いを言えるかも確認する。逆方向で言えて初めて使える知識になる。
  5. 重要度の表示がある場合、最初は最重要のものだけを回す。
  6. 用語集は引くものであり、通読するものではない。
  7. 分からない語に出会ったときだけ引く、という使い方が正しい。
使い方 正しい 誤り
時期 通史を一周した後 最初から
目的 確認 暗記そのもの
方向 双方向で確認 問い→答えのみ
範囲 重要度の高いものから 全部を均等に
用語集 引く 通読する
「答えから問いを言えるか」入試では、用語そのものではなく「その用語の説明」が選択肢に出ます。『均田制』と言われて説明できるか——この方向が問われるのです。一問一答を逆から回すだけで、正誤判定の精度が上がります。
一問一答だけで戦わない一問一答を完璧にしても、論述と資料問題には対応できません。あくまで通史の理解を確認する道具であり、それ単独では得点力になりません。

演習 — 問題集と過去問の順序

  1. 用語がある程度入ったら、問題集で「問われ方」を知る
  2. この段階で初めて、自分の知識が使える形になっているかが分かる。
  3. 間違えたら用語を覚え直すのではなく、通史に戻って因果を確認する。
  4. 多くの失点は知識不足ではなく、因果の理解不足から生じる。
  5. 問題集を一冊終えたら、志望校の過去問に移る。
  6. 過去問は3〜5年分を解いて、出題の型を把握する。
  7. 論述がある場合は、答案を人に見てもらうことが不可欠である。
段階 使うもの 確認すること
第1段階 基礎の問題集 用語が使える形で入っているか
第2段階 共通テストの過去問 資料の読み取りと時間配分
第3段階 志望校の過去問 出題の型と必要な精度
論述 過去問+添削 採点者に伝わる書き方
過去問は早めに1年分「実力がついてから過去問」は誤りです。早い段階で1年分解いて、目標地点を知る。何が問われ、何が足りないかが分かれば、その後の学習の優先順位が決まります。
論述は独学の限界がある論述答案は、自分では「書けている」と思っても、採点者に伝わっていないことが多いものです。第三者の添削なしに論述力を上げるのは、極めて難しい——これは正直に申し上げます。

選び方と使い方のまとめ

  • 教材は「役割」で選ぶ——通史・用語・演習・資料の4つ
  • 各役割につき1冊に絞る。複数の並行は進度を殺す
  • 順序を守る——通史 → 用語 → 演習。資料は常に横に
  • 通史は速度優先。一周目に完璧を求めない
  • 一問一答は通史の後。答えから問いを言えるかを確認する
  • 用語集は引くもの。通読しない
  • 過去問は早めに1年分。目標地点を先に知る
  • 論述は必ず人に見てもらう
  • 最後は教科書の記述に合わせて整える
買い足したくなったときの判断新しい教材が欲しくなったときは、たいてい「いまの教材が終わっていない」だけです。「この教材を終えたら何が身につくか」を言えないなら、買わない——この判断基準で迷いは減ります。
教材より、進度と復習どの教材を選んでも、一周し切って復習すれば力はつきます。逆に、名著を買っても途中で止まれば0点です。選ぶことより、終えることに時間を使ってください。
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 世界史の教材が担う4つの役割を答えよ。
A. 通史・用語・演習・資料
Q2. 同時に進めてよい2つの役割はどれか。
A. 通史と資料
Q3. 一問一答を使い始める適切な時期はいつか。
A. 通史を一周した後
Q4. 一問一答を双方向で確認する理由を答えよ。
A. 入試では用語そのものではなく、その用語の説明が問われるため
Q5. 問題集で間違えたとき、まず戻るべき場所はどこか。
A. 通史(因果の理解)
Q6. 過去問を早めに1年分解く理由を答えよ。
A. 何が問われ何が足りないかを知り、学習の優先順位を決めるため

よくある質問

どの参考書がおすすめですか?
「どれが良いか」より「いま何の役割が必要か」で選んでください。通史・用語・演習・資料の4つの役割があり、役割の違う教材を比べても意味がありません。通史が終わっていないのに一問一答を買うのが最も多い失敗です。
教科書と講義系の参考書、どちらを使うべきですか?
初学者は講義系で一周してから教科書で確認する順序が有効です。ただし最終的には教科書に戻ってください。入試問題は教科書の記述を基準に作られています。
一問一答はいつから使えばよいですか?
通史を一周した後です。通史の前に使うと意味の分からない語を丸暗記することになります。また「答えから問いを言えるか」も確認してください。
参考書は何冊必要ですか?
各役割につき1冊です。複数を並行すると進度が出ないまま「やった気」だけが残ります。新しい教材が欲しくなったときは、たいてい今の教材が終わっていないだけです。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

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