世界史の勉強法でよくある失敗12|自分がどれかを先に特定する

世界史の勉強法でよくある失敗12|自分がどれかを先に特定する
日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応

勉強法の記事を読んでも成績が上がらないのは、「正しいやり方」を足す前に「間違ったやり方」を抜いていないからです。世界史でつまずく人の失敗は12のパターンにほぼ収まります。まず自分がどれかを特定する。処方はそのあとです。診断から入る記事です。

まず自分の失敗を特定する — 12パターンの一覧

一言でいうと世界史の学習でよく起きる失敗は、①教材の選び方 ②進め方 ③覚え方 ④演習のしかたの4領域に分類できる。処方はパターンごとに違うため、やり方を足す前に、いま何をやめるべきかを決める
領域 失敗パターン 症状
教材 ①複数の教材を並行する どれも半分で止まっている
教材 ②一問一答から始める 用語は言えるが設問に対応できない
教材 ③用語集を通読する 時間だけが過ぎる
進め方 ④一周目に完璧を求める 古代で止まって現代に届かない
進め方 ⑤範囲を決めずに始める 毎回どこをやるか迷う
進め方 ⑥復習の予定がない 進むほど前が抜ける
覚え方 ⑦読むだけで終える 分かった気になるが再現できない
覚え方 ⑧年号から入る 数字は言えるが流れが見えない
覚え方 ⑨地図を見ない 地名が出ると手が止まる
演習 ⑩過去問を後回しにする 必要な精度が分からないまま進む
演習 ⑪間違いを用語の暗記で処理する 同じ形式でまた落とす
演習 ⑫論述を自分だけで完結させる 書けているつもりが伝わらない
「足すより、抜く」成績が動かないとき、多くの人は新しい教材や方法を足そうとします。しかし止まっている原因は、たいてい上の12のどれかです。「いま何をやめるか」を1つ決める方が、新しく何かを始めるより効果が早い。日本世界史塾の体験授業では、まずこの特定から入ります。
複数に当てはまるのが普通1つだけということはまずありません。ただし直すのは一度に1つにしてください。同時に3つ変えると、何が効いたのか分からなくなります。

教材の失敗 — ①〜③の処方

  1. ①複数の教材を並行する——安心のために買い足した結果、どれも終わらない。処方は「役割ごとに1冊」。通史・用語・演習・資料の4役割につき1冊だけを残し、他は視界から外す。
  2. 残した教材には終える期限を書き込む。期限のない教材は終わらない。
  3. ②一問一答から始める——通史を通す前に使うと、意味の分からない語を丸暗記することになる。処方は「通史を一周してから」
  4. 一問一答は覚える道具ではなく確認する道具である。すでに知っている語を確認すると定着する。
  5. ③用語集を通読する——用語集は辞書であり、読み物ではない。処方は「引く」。分からない語に出会ったときだけ開く。
  6. 通読すると重要度の差がつかないまま情報だけが増える。
「役割で選ぶ」が原則通史(流れ)・用語(知識)・演習(設問)・資料(地図と図版)——役割の違う教材を比べても意味がありません。「いま足りない役割はどれか」で選べば、教材選びの迷いはほぼ消えます。
買い足したくなったら新しい教材が欲しくなるのは、たいてい今の教材が終わっていないときです。「この教材を終えたら何が身につくか」を言えないなら買わない——この基準で判断してください。
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進め方と覚え方の失敗 — ④〜⑨の処方

  1. ④一周目に完璧を求める——最も多い失敗。古代を精密にやり、現代に到達しないまま試験を迎える。処方は「一周目は流れ、二周目で用語、三周目で演習」と段階を分けること。
  2. ⑤範囲を決めずに始める——毎回「どこをやろうか」で時間を使う。処方は週の初めに7日分の範囲を紙に書く
  3. ⑥復習の予定がない——新しい範囲だけを進め、前が抜けていく。処方は週の最後の1日を復習に固定する。
  4. ⑦読むだけで終える——教科書を読むと分かった気になるが、それは書き手の理解を借りているだけ。処方は本を閉じて、その節の因果を一文で言う
  5. ⑧年号から入る——数字は言えるが何が起きたか説明できない。処方は先に因果、年号は基準点だけ。時代の目印になる10〜20個で足りる。
  6. ⑨地図を見ない——地名が出た瞬間に思考が止まる。処方は地図帳を常に開いておく。地名が出るたびに指で押さえる。
失敗 やめること 代わりにすること
④完璧主義 一周目で細部を詰める 速度優先で最後まで通す
⑤無計画 その日に決める 週の初めに7日分を書く
⑥復習なし 新規範囲だけ進む 週1日を復習に固定
⑦読むだけ 受け身で読む 閉じて因果を一文で言う
⑧年号先行 語呂から入る 因果の順序で並べる
⑨地図なし 文字だけで処理 地図帳を開いたまま
「閉じて言う」が最強の確認読んだ直後に本を閉じ、その節の因果を一文で言えるか——これができれば理解、できなければ読んだだけです。1節につき10秒で済む検査なので、必ず挟んでください。

演習の失敗 — ⑩〜⑫の処方

  1. ⑩過去問を後回しにする——「実力がついてから」と考えて直前まで開かない。処方は早い段階で1年分を解く。目標地点を知らずに走らない。
  2. 解けなくてよい。何が問われ、何が足りないかが分かれば、その後の優先順位が決まる
  3. ⑪間違いを用語の暗記で処理する——間違えた語を覚え直して終わりにする。処方は「なぜその選択肢が誤りか」を型で分類する
  4. 誤答の型は主体の入れ替え・時代の入れ替え・因果の逆転・程度の誇張の4つにほぼ収まる。型で覚えれば次に効く。
  5. ⑫論述を自分だけで完結させる——書いて満足し、模範解答と見比べて終える。処方は第三者に読ませる
  6. 論述は「書けているつもり」と「伝わっている」の差が自分では見えない。ここだけは独学の限界がある。
間違いは「型」で回収する1問の間違いを1つの知識として処理すると、次に別の形で問われたときにまた落とします。「これは因果を逆転させた選択肢だ」と型で理解すれば、同じ型の問題をまとめて取れるようになります。
論述だけは例外他の失敗は自分で直せますが、⑫だけは構造的に自力で直せません。採点者に伝わっているかどうかは、読んだ人にしか分からないためです。学校の先生でも塾でも、誰かに見せる仕組みを作ってください。

入試で狙われるポイント総覧

  • 失敗は教材・進め方・覚え方・演習の4領域に分類できる
  • やり方を足す前に、やめることを1つ決める
  • 教材は役割ごとに1冊(通史・用語・演習・資料)
  • 一問一答は通史の後、用語集は引くもの
  • 一周目は流れ、二周目で用語、三周目で演習
  • 読んだら閉じて、因果を一文で言う
  • 年号は基準になる10〜20個で足りる
  • 過去問は早めに1年分——目標地点を先に知る
  • 間違いは誤答の型(主体・時代・因果・程度)で回収する
  • 論述だけは第三者の目が要る
直す順序複数当てはまる場合は、④(一周目の完璧主義)→ ①(教材の並行)→ ⑩(過去問の後回し)の順で直してください。この3つは他の失敗の原因にもなっているため、直すと連鎖的に改善します。
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 世界史の失敗パターンを分類する4領域を答えよ。
A. 教材の選び方・進め方・覚え方・演習のしかた
Q2. 教材を選ぶときの原則を答えよ。
A. 役割ごとに1冊に絞る(通史・用語・演習・資料)
Q3. 一問一答を使い始める時期と、その位置づけを答えよ。
A. 通史を一周した後。覚える道具ではなく確認する道具
Q4. 一周目・二周目・三周目の目的をそれぞれ答えよ。
A. 一周目は流れ、二周目は用語、三周目は演習
Q5. 読んだ内容が理解できたかを確認する方法を答えよ。
A. 本を閉じて、その節の因果を一文で言えるか
Q6. 誤答の型を4つ答えよ。
A. 主体の入れ替え・時代の入れ替え・因果の逆転・程度の誇張

よくある質問

勉強法の記事を読んでも成績が上がりません。
正しいやり方を足す前に、間違ったやり方を抜いていない可能性が高いです。まず12パターンのどれに当てはまるかを特定し、「いま何をやめるか」を1つ決めてください。同時に複数変えると何が効いたか分かりません。
どの失敗から直すべきですか?
一周目の完璧主義 → 教材の並行 → 過去問の後回しの順です。この3つは他の失敗の原因にもなっているため、直すと連鎖的に改善します。
過去問はいつ解けばよいですか?
早い段階で1年分解いてください。解けなくて構いません。何が問われ何が足りないかが分かれば、その後の学習の優先順位が決まります。
論述も自分で直せますか?
これだけは構造的に難しいです。採点者に伝わっているかは読んだ人にしか分かりません。学校の先生でも塾でも、誰かに見せる仕組みを作ってください。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

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