一橋世界史の学習計画|偏りのある出題に、順序で備える

一橋世界史の学習計画|偏りのある出題に、順序で備える
日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応

一橋の世界史は、出題される分野に明確な偏りがあることで知られます。だからこそ計画の立て方が特殊で、全範囲を均等に進める作り方は不利になります。この記事は傾向の解説ではなく、偏りを前提に、どの順で・どこに時間を寄せるかという配分の設計を扱います。

均等配分をやめる — 計画の前提を変える

一言でいうと出題分野に偏りがある入試では、「全範囲を均等に仕上げる」計画は、限られた時間を分散させるだけになる。必要なのは厚く積む範囲と、水準を保つ範囲を分けることである。
  1. まず過去問を数年分ながめて、繰り返し登場する分野を書き出す。解く必要はなく、分野の記録だけでよい。
  2. この作業は4月にやる。年度末ではない。配分を決めるための情報だから、早いほど効く
  3. 書き出した分野が厚く積む範囲である。ここに全体の6割を配分する。
  4. 残りの範囲は水準を保つ範囲。共通テストで困らない程度まで仕上げ、それ以上は追わない。
  5. ただし「捨てる」わけではない。偏りは傾向であって保証ではないため、白紙の分野を作らない。
  6. 6割と4割——この配分を最初に決めておくと、途中で迷わなくなる。
区分 到達目標 配分
厚く積む範囲 論述で説明できる 6割
水準を保つ範囲 選択問題で困らない 4割
白紙の分野 作らない
4月に過去問を「ながめる」解くのではなく、出題分野を記録するだけです。1年分あたり10分で済みます。この10分×数年分が、1年間の時間配分を決めます。実力がついてから、では遅い作業です。
偏りは保証ではない傾向は変わりうるものです。だから「厚く積む/水準を保つ」の2区分であって、「やる/捨てる」ではありません。白紙の分野を作らない——これが崩れないための保険です。

4月〜8月 — 通史を通しつつ、重点分野を先に厚くする

  1. 4〜6月:通史を一周する。速度優先。ここでは重点分野もそれ以外も同じ扱いでよい。
  2. 並行して、重点分野だけ、教科書の該当箇所を2回読む。1回目の通史とは別に、もう1度戻る。
  3. 7〜8月:ここで差をつける。重点分野をテーマ単位でまとめ直す。週2枚。
  4. まとめは因果の順に矢印でつなぐ形にする。用語の羅列にしない。
  5. 重点分野以外は、この時期は一問一答で水準確認だけにとどめる。深追いしない。
  6. 8月末に過去問を1年分、実際に解く。ここで初めて解く。まとめが通用するかを試す。
  7. 通用しなければ、まとめの粒度が粗い。もう一段細かくして作り直す
重点分野は「2回読み」から始める通史の一周とは別に、重点分野だけもう1度読む——4月から6月にこれをやっておくと、7月のまとめ作業が格段に速くなります。同じ範囲を違う目的で2回通るのが、偏りのある入試に対する基本の作り方です。
夏に全範囲を均等に回さない夏は時間が取れる分、全範囲を均等に回したくなります。しかしそれをすると、重点分野の厚みが出ません。夏こそ配分を守ってください
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9月〜12月 — 論述の形に落とす

  1. 9月:まとめを設問の形に変換する。「この主題が問われたら何を書くか」を想定して要素を並べる。
  2. 10月:答案を書き始める。週2本。重点分野から書く
  3. 書いたら第三者に読ませる。伝わっているかは自分では判定できない。
  4. 11月:週2〜3本。過去問を遡って解く。重点分野以外が出た年度も必ず解く
  5. 重点分野以外の年度で崩れるようなら、4割の側の水準が足りていない。ここで補う。
  6. 12月:共通テストとの配分を決める。週1本は書き続ける
  7. 共通テスト対策は、結果的に4割の側の補強になる。無駄にはならない。
時期 重点分野(6割) その他(4割)
4〜6月 通史+2回目の読み 通史一周
7〜8月 テーマ別まとめ週2枚 一問一答で水準確認
9月 設問の形に変換 同上
10〜11月 答案を週2〜3本 過去問の他年度で確認
12月 週1本を維持 共通テスト対策が補強になる
共通テスト対策は無駄にならない二次対策と共通テスト対策を対立させて考える必要はありません。一橋のように偏りのある入試では、共通テスト対策がそのまま「4割の側」の水準維持になります。12月の時間の使い方として、これは合理的です。

1月〜2月 — 直前期に配分を再確認する

  1. 1月前半:共通テストに集中。ここで4割の側の水準が確認できる
  2. 共通テストの結果で取りこぼした分野が分かる。ここが4割の側の穴である。
  3. 1月後半:二次対策へ戻る。まず重点分野のまとめを通しで読み直す
  4. 次に共通テストで崩れた分野だけを補修する。全範囲には戻らない。
  5. 2月:新しい教材は使わない。まとめと自分の答案を回す。
  6. 前日は重点分野のまとめを1回通すだけでよい。
共通テストの結果を診断に使う共通テストの自己採点は、点数としてだけでなく「4割の側の健康診断」として使えます。崩れた分野がそのまま補修対象になる。1月後半の1週間を、どこに使うかが自動的に決まります
直前に重点分野を広げない不安になると重点分野を広げたくなりますが、直前期にそれをすると、どちらも中途半端になります。広げるなら12月まで。1月後半以降は、決めた配分のまま押し切ってください

入試で狙われるポイント総覧

  • 偏りのある入試では均等配分が不利になる
  • 4月に過去問をながめ、分野を記録する(解かない・10分)
  • 厚く積む6割/水準を保つ4割に分ける
  • 白紙の分野は作らない——傾向は保証ではない
  • 重点分野は通史とは別にもう1度読む
  • 夏こそ配分を守る(均等に回さない)
  • まとめは因果の矢印でつなぐ。羅列にしない
  • 9月に設問の形へ変換、10月から答案
  • 共通テスト対策が4割の側の補強になる
  • 1月後半以降は配分を変えない
今週やること過去問を数年分開いて、出題分野だけを紙に書き出してください。解く必要はありません。この10分の作業が、1年間の時間配分を決めます
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 出題分野に偏りがある入試で不利になる計画の立て方を答えよ。
A. 全範囲を均等に仕上げようとする配分
Q2. 4月に過去問を使ってやるべき作業を答えよ。
A. 解かずに、出題分野を記録して配分を決める
Q3. 2つの区分と配分の目安を答えよ。
A. 厚く積む範囲6割・水準を保つ範囲4割
Q4. 「捨てる分野」を作らない理由を答えよ。
A. 傾向は変わりうるもので、保証ではないから
Q5. 夏に重点分野で行う作業を答えよ。
A. テーマ単位のまとめを週2枚、因果を矢印でつなぐ形で作る
Q6. 共通テストの自己採点をどう使うか答えよ。
A. 水準を保つ側の健康診断として、崩れた分野を補修対象にする

よくある質問

出題に偏りがあるなら、他の分野は捨ててよいですか?
捨てないでください。傾向は変わりうるもので、保証ではありません。区分は「やる/捨てる」ではなく「厚く積む/水準を保つ」です。白紙の分野を作らないことが保険になります。
重点分野はどうやって決めますか?
4月に過去問を数年分ながめ、繰り返し登場する分野を書き出します。解く必要はなく、1年分10分で済みます。実力がついてから、では配分を決める時期を逃します。
夏はどう使うべきですか?
重点分野のテーマ別まとめに週2枚使ってください。その他の分野は一問一答で水準確認にとどめます。時間があるからと全範囲を均等に回すと、重点分野の厚みが出ません。
共通テスト対策で二次対策が止まりませんか?
偏りのある入試では、共通テスト対策がそのまま「水準を保つ側」の補強になります。対立させて考える必要はありません。ただし週1本の答案だけは維持してください。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

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