慶應世界史の学習計画|学部で必要な力が変わる前提で組む

慶應世界史の学習計画|学部で必要な力が変わる前提で組む
日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応

慶應の対策で最初に決めるべきなのは、勉強法ではなく「どの学部を受けるか」です。学部によって世界史が使えるかどうか、使えるとして何が問われるかが変わり、それによって世界史にかけるべき時間そのものが変わるからです。この記事は志望学部の決定から逆算する計画を扱います。

最初に決めるのは学部 — 科目構成が計画を決める

一言でいうと慶應は学部ごとに試験科目の構成が異なる。世界史(地歴)を使う学部、他科目との選択になる学部、そもそも地歴を課さない学部がある。この構成が、世界史にかける時間の上限を決める
  1. まず受験する可能性のある学部を書き出す。この時点では確定でなくてよい。
  2. 次にそれぞれの試験科目を募集要項で確認する。ここは推測で進めない。
  3. 世界史を使う学部が1つだけなら、世界史の比重は小さくなる。他科目に時間を寄せる。
  4. 世界史を使う学部が複数なら、世界史は主要科目になる。ここに時間を配分する。
  5. 地歴を課さない学部が志望に含まれるなら、その学部用の対策は世界史とは別枠で必要になる。
  6. この整理を4月にやる。夏以降に志望学部が変わると、配分の前提が崩れる。
志望の構成 世界史の位置づけ 配分の考え方
世界史を使う学部が複数 主要科目 時間を厚く配分する
世界史を使う学部が1つ 1学部分の科目 他科目とのつり合いで決める
地歴を課さない学部が中心 併願用 別枠の対策が主軸になる
「勉強法」より先に「科目構成」慶應対策の相談で最も多いのが、科目構成を確認しないまま勉強法だけを聞かれるケースです。使う科目が決まらないと、時間配分が決まりません。4月に募集要項を開くこと——これが最初の対策です。
科目構成は必ず募集要項で確認学部ごとの試験科目・選択の可否・配点は変更されることがあります。この記事は計画の組み方を扱うもので、各学部の科目構成を説明するものではありません。出願の判断は必ず最新の募集要項に基づいて行ってください。

求められる力を2種類に分ける

  1. 慶應の世界史で必要になる力は、大きく①精密な知識 ②説明して書く力の2種類に分けられる。
  2. ①精密な知識——用語の範囲が広く、選択肢の判別に細かい差が効く。教科書本文だけでは足りない場面がある。
  3. ②説明して書く力——記述や論述が課される場合、知識を文章の形にして出す必要がある。
  4. 学部によってどちらが重いかが違う。志望学部の過去問を見れば、その比重はすぐ分かる。
  5. ①が重い学部なら、用語の精度を上げる作業に時間を寄せる。
  6. ②が重い学部なら、書いて人に見せる工程を計画に組み込む必要がある。
  7. 併願する場合は①を土台にして、②を上乗せする。この順序が逆になると、書く材料がないまま形式だけ練習することになる。
比重は過去問1年分で分かる「その学部でどちらの力が重いか」は、過去問を1年分見れば判断できます。解く必要はありません。設問の形式を見るだけで、用語の精度が要るのか、書く力が要るのかは分かります。4月の段階でやっておくと、その後の配分が決まります。
①だけに寄せない用語の精度は測りやすいので、そこばかりやりたくなります。しかし②が課される学部を受けるなら、書く工程を先延ばしにしないでください。書く力は直前期には作れません。
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4月〜12月 — 時期ごとの作業

  1. 4月:志望学部の科目構成を確認し、世界史の配分を決める。過去問を1年分ながめる。
  2. 5〜7月:通史を一周する。速度優先。ここは学部を問わず共通の作業である。
  3. 8月:通史の二周目。用語を詰める。①が重い学部を受けるなら、ここが最重要の1か月になる。
  4. 教科書の脚注・図版の説明・地図まで含めて読む。ただし用語集は引く道具にとどめる
  5. 9月:一問一答で全範囲を通す。抜けた分野を埋める。ここまでが土台である。
  6. 10〜11月:学部ごとの形式に合わせた演習に入る。②が重い学部があるなら、ここで書き始める
  7. 書いた答案は必ず第三者に見せる。伝わっているかどうかは自分では判定できない。
  8. 12月:他科目との配分を再調整する。世界史は一問一答の維持と、週1本の記述で保てる
時期 作業 重点
4月 科目構成の確認・過去問を見る 配分の決定
5〜7月 通史一周 速度
8月 通史二周・用語の精度 ①の学部は最重要
9月 一問一答で全範囲点検 土台の完成
10〜11月 学部別演習・記述 ②の学部はここから
12月 維持 他科目へ配分を移す
8月と10月が分岐点①が重い学部なら8月、②が重い学部なら10月が最も重要な月になります。志望学部の構成によって、力を入れる月そのものが変わる——ここが慶應対策の特徴です。

1月〜2月 — 併願日程の中での世界史

  1. 1月前半:共通テストを利用する場合はそちらへ。利用しない場合も土台の維持として使える。
  2. 1月後半:受験する学部を日程順に並べ、その順で形式を確認する。
  3. 各学部の直近3年分を時間を計って解く。ここで時間配分を固める。
  4. 2月:受験期間中は翌日の学部の形式だけを確認する。他学部の対策はしない。
  5. 科目構成が学部ごとに違うため、前日の科目と翌日の科目が違うことがある。切り替えを意識する。
  6. 新しい教材には手を出さない。回すのは一問一答と、自分が書いたものだけでよい。
科目の切り替えを練習しておく慶應は学部ごとに科目構成が違うため、受験期間中は日によって使う科目が変わります。1月後半の演習を日程順に組んでおくと、この切り替えを事前に一度経験できます。本番で初めて経験するより、はるかに楽になります。
直前に範囲を広げない不安になると新しい教材を開きたくなりますが、受験期間中に始めたものは終わりません。1月後半以降はこれまで積んだものだけを回してください

入試で狙われるポイント総覧

  • 最初に決めるのは勉強法ではなく受験する学部
  • 科目構成が世界史の配分を決める
  • 確認は4月に。夏以降の変更は前提を崩す
  • 必要な力は①精密な知識 ②説明して書く力
  • 比重は過去問1年分を見るだけで分かる(解かなくてよい)
  • 併願は①を土台に②を上乗せ
  • ①が重い学部は8月、②が重い学部は10月が分岐点
  • 書く力は直前期には作れない
  • 直前期は日程順に形式を確認する
  • 受験期間中は翌日の学部の形式だけ
今週やること受験する可能性のある学部を書き出し、それぞれの試験科目を募集要項で確認してください。確定でなくて構いません。科目構成が分かった時点で、世界史にかけるべき時間が決まります
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 慶應対策で最初に決めるべきことを答えよ。
A. 受験する学部(科目構成が配分を決めるため)
Q2. 世界史で必要になる2種類の力を答えよ。
A. 精密な知識と、説明して書く力
Q3. 志望学部でどちらの力が重いかを判断する方法を答えよ。
A. 過去問を1年分見て設問の形式を確認する
Q4. 併願する場合の順序を答えよ。
A. 精密な知識を土台にして、書く力を上乗せする
Q5. 精密な知識が重い学部と、書く力が重い学部で、それぞれ重要な月を答えよ。
A. 前者は8月、後者は10月
Q6. 直前期に学部を並べる基準を答えよ。
A. 日程順

よくある質問

世界史にどれくらい時間をかけるべきですか?
受験する学部の科目構成によって変わります。世界史を使う学部が複数なら主要科目として厚く配分し、1つだけなら他科目とのつり合いで決めます。まず募集要項で科目構成を確認してください
記述や論述の対策はいつから始めますか?
10月からで足りますが、10月に始めるには9月までに土台が要ります。書く力は直前期には作れないので、先延ばしにしないでください。書いた答案は必ず第三者に見せてください。
用語はどこまで細かく覚えますか?
教科書の脚注・図版の説明・地図まで含めて読むのが目安です。ただし用語集は通読せず、分からない語に出会ったときに引く道具として使ってください。
各学部の科目構成はどこで確認できますか?
必ず最新の募集要項で確認してください。試験科目・選択の可否・配点は変更されることがあります。この記事は計画の組み方を扱うもので、科目構成を説明するものではありません。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

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