早稲田世界史の学習計画|複数学部の併願を前提に組む

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早稲田を受ける人の多くは複数の学部を併願します。ところが学習計画は1学部分しか立てていないことがほとんどです。学部ごとに出題の性格が違う以上、計画も「共通の土台」と「学部ごとの上乗せ」に分けて設計する必要があります。この記事はその分け方を扱います。
この記事でわかること
土台と上乗せに分ける — 併願の計画の基本形
一言でいうと複数学部を併願する場合、対策は①どの学部でも必要な土台 ②その学部だけに必要な上乗せに分解できる。土台が全体の8割、上乗せが2割——この比率で設計すると、学部を増やしても計画が破綻しない。
- 土台とは、通史の精度・用語の水準・地図と資料の読み取りなど、学部を問わず効くものである。
- 上乗せとは、その学部の出題形式に特有の練習である。論述の有無、記述の量、資料の扱いなどがこれにあたる。
- 多くの受験生は上乗せから始めてしまう。過去問を学部別に集め、それぞれの対策を並行させようとする。
- しかし上乗せは土台がないと効かない。形式に慣れても、答えるべき中身がなければ得点にならない。
- だから順序は土台 → 上乗せ。時期でいえば夏までが土台、秋からが上乗せである。
- この分け方なら、併願学部が3つでも5つでも、前半の計画は同じになる。
| 区分 | 内容 | 時期 | 配分 |
|---|---|---|---|
| 土台 | 通史の精度・用語・資料の読み取り | 4〜9月 | 8割 |
| 上乗せ | 学部ごとの出題形式への適応 | 10〜2月 | 2割 |
| 再確認 | 日程順に形式を確認 | 直前期 | — |
学部を増やしても前半は変わらない「学部を増やすと対策が増える」と考えると、計画が組めなくなります。実際には増えるのは上乗せの2割だけ。前半の8割は共通です。この構造を理解しておくと、併願の判断そのものが楽になります。
受験できる方式は必ず募集要項で確認学部ごとの試験科目・配点・方式は変更されることがあります。この記事は計画の組み方を扱うもので、方式の説明ではありません。実際の出願にあたっては、必ず最新の募集要項を確認してください。
4月〜9月 — 土台をどこまで上げるか
- 4〜6月:通史を一周する。速度優先。ここは学部を意識しなくてよい。
- 7〜8月:通史の二周目。用語を詰める。ここで求められる水準は高い。
- 早稲田で問われる用語の範囲は広いため、教科書の本文だけでなく、脚注や図版の説明にも目を通す。
- ただし用語集の通読はしない。分からない語に出会ったときに引く道具として使う。
- 並行して地図と資料の読み取りを習慣にする。地名が出たら地図帳で位置を確認する。
- 9月:土台の点検。一問一答で全範囲を1回通す。抜けた分野が土台の穴である。
- 9月末までに穴を埋め切る。ここが上乗せへ移る条件になる。
土台の到達点は「一問一答が通ること」9月末に一問一答を全範囲通して、大きく崩れる分野がない——これが上乗せへ進む条件です。崩れたまま学部別対策に入ると、形式には慣れても得点が上がりません。日本世界史塾では、この点検を9月の固定課題にしています。
細かい用語に走りすぎない「早稲田は細かい」と聞いて、前半から用語集の暗記に走る人がいます。しかし細かい用語は、通史の骨格の上に乗って初めて意味を持ちます。前半は骨格、細部は秋以降で間に合います。
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10月〜12月 — 学部ごとの上乗せを積む
- 10月:併願する学部を確定させ、それぞれ過去問を1年分ずつ解く。
- 解いた結果を「形式の違い」と「必要な精度の違い」の2点で記録する。ここが上乗せの設計図になる。
- 11月:学部ごとの対策を回す。ただし1日1学部にする。同じ日に複数学部を混ぜない。
- 混ぜると形式の感覚が定着しない。日を分ければ、その日の頭がその形式に合う。
- 論述や記述が課される学部を受けるなら、その答案は必ず第三者に見せる。
- 12月:共通テストとの配分を決める。学部別対策は週2日に落としてよい。
- ただし最も志望度の高い学部の形式だけは、週1回必ず触れる。
| 時期 | 土台 | 上乗せ |
|---|---|---|
| 10月 | 維持(一問一答を週1回) | 学部ごとに過去問1年分 |
| 11月 | 維持 | 1日1学部で演習 |
| 12月 | 共通テスト対策が維持を兼ねる | 週2日に縮小 |
| 1月後半 | — | 日程順に形式を再確認 |
「1日1学部」で形式の感覚を作る同じ日に複数学部の過去問を解くと、どの形式にも中途半端に慣れます。日を分けると、その日はその形式に頭が合う。本番は1日1学部なのだから、練習もその形にそろえる——単純ですが効きます。
1月〜2月 — 日程の並びで直前期を組む
- 1月前半:共通テストに集中する。この期間は土台の維持と考えてよい。
- 1月後半:受験する学部を日程順に並べ、その順で形式を確認する。
- 早い日程の学部から順に、直近3年分を時間を計って解く。
- この並べ方をすると、本番の直前に触れた形式が、その日の試験と一致する。
- 2月:受験期間中は翌日の学部の形式だけを確認する。他学部の対策はしない。
- 受験期間中に新しい知識を入れようとしない。回すのは自分のまとめと一問一答だけ。
- 1つの学部が終わったら、その日のうちに次の学部の形式へ切り替える。引きずらない。
日程順に並べる直前期の学部別対策は、志望度順ではなく日程順に並べてください。本番の直前に触れた形式がその日の試験と一致していれば、それだけで立ち上がりが違います。志望度は出願の判断に使い、直前期の順序には使わない——これが原則です。
受験期間中に引きずらない前日の手応えが悪くても、翌日は別の学部です。形式も配点も違う以上、前日の結果は翌日の予測になりません。その日のうちに次の形式へ切り替えてください。
入試で狙われるポイント総覧
- 併願の対策は土台8割・上乗せ2割に分ける
- 学部を増やしても前半の計画は変わらない
- 順序は土台 → 上乗せ(夏まで土台、秋から上乗せ)
- 土台=通史の精度・用語の水準・地図と資料
- 用語集は通読せず、引く道具として使う
- 上乗せへ進む条件=9月末に一問一答が全範囲通ること
- 前半から細かい用語に走らない(骨格が先)
- 学部別演習は1日1学部で形式の感覚を作る
- 直前期は志望度順ではなく日程順に並べる
- 受験期間中は翌日の学部の形式だけを見る
今週やること併願する可能性のある学部を、いまの時点で紙に書き出してください。確定でなくて構いません。「上乗せが何種類必要か」が見えるだけで、前半の計画の立て方が変わります。
この記事の一問一答(確認テスト)
- Q1. 併願を前提とした対策の2区分と配分を答えよ。
- A. 土台8割・学部ごとの上乗せ2割
- Q2. 土台に含まれるものを3つ答えよ。
- A. 通史の精度・用語の水準・地図と資料の読み取り
- Q3. 上乗せへ進んでよい条件を答えよ。
- A. 9月末に一問一答を全範囲通して大きく崩れる分野がないこと
- Q4. 用語集の正しい使い方を答えよ。
- A. 通読せず、分からない語に出会ったときに引く
- Q5. 学部別演習を1日1学部にする理由を答えよ。
- A. 混ぜると形式の感覚が定着しないため
- Q6. 直前期に学部を並べる基準を答えよ。
- A. 志望度順ではなく日程順
よくある質問
- 併願する学部が多いと対策が回りません。
- 増えるのは上乗せの2割だけです。前半の土台8割は学部を問わず共通なので、学部を増やしても前半の計画は変わりません。回らなくなるのは、上乗せから始めてしまったときです。
- 細かい用語はいつから詰めますか?
- 秋以降で間に合います。細かい用語は通史の骨格の上に乗って初めて意味を持ちます。前半に用語集の暗記へ走ると、骨格が薄いまま細部だけが増えます。
- 直前期はどの学部から対策しますか?
- 日程順です。志望度順ではありません。本番の直前に触れた形式がその日の試験と一致していれば、立ち上がりが違います。志望度は出願の判断に使ってください。
- 受験する方式はどこで確認できますか?
- 必ず最新の募集要項で確認してください。学部ごとの試験科目・配点・方式は変更されることがあります。この記事は計画の組み方を扱うもので、方式の説明ではありません。
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この記事について
世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。
藤
藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。
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