世界史の苦手を克服する3か月|週単位で行動を決める

世界史の苦手を克服する3か月|週単位で行動を決める
日本世界史塾編集部世界史専門オンライン個別指導担任制マンツーマン/全国・海外対応

「苦手」は性格でも才能でもなく、行動の設計が決まっていない状態を指しています。だから克服も、気持ちではなく予定表で解決します。この記事は原因の分析ではなく、最初の1週目に何をして、12週目に何をしているか——12週間の行動を週単位で示します。

3か月を3段階に分ける

一言でいうと苦手を脱する12週間は、第1期(1〜4週)=全体像/第2期(5〜8週)=定着/第3期(9〜12週)=運用の3段階に分ける。段階ごとに目的が違うため、同じ教材でも使い方を変える
期間 目的 この時期の合格ライン
1〜4週 全体像をつかむ 通史を最後まで一度通す
5〜8週 知識を定着させる 各地域の流れを何も見ずに言える
9〜12週 使える形にする 設問形式ごとに解き方が決まっている
  1. 苦手な人が最初にやりがちなのは、細部を完璧にすることである。しかしこれは順序が逆になる。
  2. 全体像がないまま細部を覚えると、覚えた事項をどこに置けばよいか分からない。だから残らない。
  3. 先に粗くてよいので最後まで通す。地図でいえば、縮尺の大きい地図を先に持つ。
  4. 第1期を4週で終えるには1日1時間で足りる。精度を求めないためである。
  5. 第2期で初めて用語を詰める。置き場所ができているので、同じ努力で定着量が変わる
  6. 第3期で設問に当てる。知識があっても設問形式に慣れていないと得点にならないためである。
順序を変えるだけで結果が変わる同じ12週間でも、「細部から積む」か「全体から降りる」かで到達点が大きく違います。苦手な人ほど全体から降りる順序が効きます。日本世界史塾の体験授業(3,300円・税込)でも、まずこの順序の確認から始めます。
12週で満点にはならないこの3か月の目標は「苦手ではなくなること」であり、得点源にすることではありません。順序を守ればその先の伸び方が変わる——そこまでを射程にしてください。

第1期(1〜4週)— 全体像をつかむ

  1. 1週目:通史の教材を用意し、古代から中世までを読み切る。用語は覚えなくてよい。誰が誰と戦い、何が変わったかだけを追う。
  2. 1節読むごとに本を閉じて一文で言う。言えなければもう一度読む。ここだけは省かない。
  3. 2週目近世から18世紀まで。同じ読み方で進める。地図帳を開いたまま読む。
  4. 3週目19世紀。ここは入試での比重が大きい。速度は落としてよいが、止まらない。
  5. 4週目20世紀から現代までを読み切り、通史を一周する。
  6. 4週目の最後に1枚の紙に、古代から現代までの流れを書き出す。書けない時代が、次の期の重点になる。
  7. この期に一問一答は使わない。用語を先に入れると全体像がぼやける。
「1日1時間・4週間」で足りる理由第1期は精度を求めないため、時間がかかりません。教科書を通読するだけなら1日1時間で4週間に収まります。苦手な人が挫折するのは、この段階で完璧を求めるからです。粗いまま最後まで行くことが目的です。
分からない語を調べ始めない第1期で用語集を引き始めると、必ず終わりません。分からない語には印だけつけて先へ進んでください。第2期で回収します。
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第2期(5〜8週)— 知識を定着させる

  1. 5週目:第1期で書けなかった時代から始める。今度は用語も入れる。1日1時間半。
  2. 各週の最終日は復習に固定する。その週の範囲を白紙に書き出し、抜けだけを教科書に戻って確認する。
  3. 6週目:一問一答を投入する。ただし覚える道具ではなく、確認する道具として使う。読んだ範囲だけを当日に確認する。
  4. 7週目地域を横に並べる。同じ世紀に各地域で何が起きていたかを1枚にまとめる。
  5. 縦(一国の通史)だけでは同時代の比較を問う設問に対応できない。ここで横の視点を入れる。
  6. 8週目頻出テーマを型でまとめる。「上からの近代化」「宗教と政治」「交易路と帝国」など、4〜5個で足りる。
  7. 8週目の最後に、第1期と同じ紙をもう一度書く。1か月前より書ける量が増えていることを確認する。
やること 1日の目安
5週 書けなかった時代を用語つきで 1時間半
6週 一問一答で当日範囲を確認 1時間半
7週 同時代の横並びを1枚に 1時間半
8週 頻出テーマを型でまとめる 1時間半
横の視点が差をつける「同じ17世紀に、ヨーロッパでは何が、東アジアでは何が起きていたか」——これに答えられるかどうかが、共通テストでも私大でも差になります。縦の通史だけでは届かない領域なので、7週目を飛ばさないでください

第3期(9〜12週)— 使える形にする

  1. 9週目志望校の過去問を1年分解く。点数は気にしない。何が問われるかを知ることが目的である。
  2. 解いたあと、落とした問題を型で分類する。知識不足か、設問の読み違いか、時代の混同か。
  3. 10週目:分類した型のうち最も多い型を集中的に演習する。全範囲を薄く回すより効く。
  4. 誤答の型は主体の入れ替え・時代の入れ替え・因果の逆転・程度の誇張の4つにほぼ収まる。
  5. 11週目2年目の過去問を解き、9週目からの変化を測る。同じ型で落としていないかを確認する。
  6. 12週目抜けの補修。この3か月で一度も触れなかった範囲を洗い出して埋める。
  7. 12週目の最後にもう一度あの紙を書く。3枚を並べると、伸びが目に見える形で残っている。
同じ紙を3回書く4週目・8週目・12週目に「古代から現代までの流れ」を白紙に書く——これがこの3か月の測定装置です。模試の偏差値より正確に、自分の伸びが見えます。3枚は捨てずに取っておいてください。
論述志望はここで人に見せる論述が必要な大学を受けるなら、第3期のどこかで必ず第三者に答案を見せてください。他の工程は独学で回せますが、伝わっているかどうかだけは自分では判定できません

入試で狙われるポイント総覧

  • 苦手=性格ではなく行動の設計がない状態
  • 12週間を全体像・定着・運用の3段階に分ける
  • 細部から積むのではなく、全体から降りる
  • 第1期は1日1時間・精度を求めず4週で一周
  • 第1期に一問一答も用語集も使わない
  • 第2期は書けなかった時代から、週の最終日は復習に固定
  • 7週目の横並び(同時代比較)を飛ばさない
  • 第3期は過去問を1年分解いて、落とし方を型で分類
  • 4週・8週・12週に同じ紙を書くのが測定装置
  • 論述だけは第三者に見せる
今週やること予定を立て直すより先に、今日から第1期を始めてください。通史の教材を開き、1節読んで本を閉じ、一文で言う。それを4週間続ける——苦手の克服は、この単純な繰り返しから始まります。
この記事の一問一答(確認テスト)
Q1. 12週間を分ける3段階と、それぞれの目的を答えよ。
A. 第1期=全体像、第2期=定着、第3期=運用
Q2. 苦手な人が陥りやすい誤った順序を答えよ。
A. 全体像を持たないまま細部を完璧にしようとすること
Q3. 第1期で使わない教材を2つ答えよ。
A. 一問一答と用語集
Q4. 第2期の7週目にやることを答えよ。
A. 同じ世紀に各地域で何が起きていたかを横に並べる
Q5. 第3期の9週目にやることと、その目的を答えよ。
A. 過去問を1年分解く。何が問われるかを知るため
Q6. 3か月の伸びを測る方法を答えよ。
A. 4週・8週・12週に古代から現代までの流れを白紙に書く

よくある質問

3か月で間に合いますか?
この12週間の目標は「苦手ではなくなること」であり、得点源にすることではありません。順序を守ればその先の伸び方が変わります。得点源にするには、この3か月のあとにもう一段階必要です。
第1期で用語を覚えなくて本当によいのですか?
全体像がないまま用語を入れると、覚えた事項の置き場所がないため残りません。第1期は粗いまま最後まで通すことが目的です。分からない語には印だけつけて先へ進んでください。
1日にどれくらい必要ですか?
第1期は1日1時間、第2期以降は1時間半が目安です。第1期は精度を求めないため短く済みます。時間より週の最終日を復習に固定することの方が効きます。
独学でできますか?
第1期と第2期は独学で回せます。第3期のうち、論述が必要な大学を受ける場合だけは第三者の目が要ります。伝わっているかどうかは、書いた本人には判定できないためです。
この記事について

世界史専門オンライン塾「日本世界史塾」の編集部が、入試での問われ方を基準に作成しています。当塾では次の講師が指導にあたっています。

藤原 進之介日本世界史塾 代表/株式会社数強塾 代表数強塾グループ創業者。東進最年少講師、代々木ゼミナールの日本初となる情報Ⅰ講師を務め、著書は9冊。累計2,500名以上の指導と、40名を超えるプロ講師体制を築いた。
伊藤 敏代々木ゼミナール世界史講師/数強塾グループの映像授業を担当筑波大学・同大学院修士課程修了。ダイヤモンド・オンラインで「カリスマ世界史講師が教える誰も知らない本当の世界史」を連載。「キャラクターがいて、ストーリーがある。それが歴史」を掲げ、通説を多様な視点から捉え直す授業を行う。

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