
世界史比較ガイド · 更新日:2026年9月15日
権利の請願は1628年、チャールズ1世に対して議会が課税や拘禁などの問題を示した文書です。権利の章典は1689年、名誉革命後の王位継承と国王・議会の関係を定めた法律です。どちらも議会と王権の関係に重要ですが、人物・時代・成立の経緯が異なります。
図解:文書名を「年・人物・目的」で結ぶ
ジョン王と諸侯
王の権力にも制約
議会 → チャールズ1世
同意なき課税・恣意的拘禁を問題に
ウィリアム3世・メアリ2世の時代
王権の制限・議会の権利を法律に
「請願だから法律ではない」と覚えない
文書名の響きだけで、請願を単なるお願い、章典だけを法律と分けるのは不正確です。英国議会の資料では、1628年の請願もチャールズ1世の受諾によって法律となったと説明されています。見分ける軸は、1628年の国王と議会の対立か、1689年の名誉革命後の政治秩序かです。
また、課税の問題は両方に登場します。「議会の同意なしに課税してはならない」という一節だけでは、どちらかを確定できません。人物名、成立年、革命との前後関係まで探すと判断できます。出典:英国議会の権利の請願解説。
正誤問題を直す3つの手順
- 人物に線を引く。チャールズ1世なら1628年との対応を確認します。
- 動詞を見る。課税を制限する、王位を受け入れる、選挙権を広げる、は別の内容です。
- 直した文を読み直す。人物だけを変えても「普通選挙を実現した」が残れば誤文です。
まず比較表で違いを確認
| 年代 | 文書・出来事 | 対応させる人物・要点 |
|---|---|---|
| 1215年 | マグナ=カルタ | ジョン王。王の権力と法の関係 |
| 1628年 | 権利の請願 | チャールズ1世。議会の同意のない課税などを問題化 |
| 1688〜1689年 | 名誉革命と権利の宣言 | ジェームズ2世の退位、ウィリアムとメアリへ |
| 1689年 | 権利の章典 | 議会の権利や王位継承を法律として規定 |
表は高校世界史の学習用の整理です。制度の地域差・変化や例外は、以下の解説と参照資料で確認してください。
間違えやすい10の疑問
権利の請願と権利の章典の違いは?
1628年の請願はチャールズ1世との対立、1689年の章典は名誉革命後の政治秩序と結びつきます。共通する課税の問題だけでなく、どの国王の時代に、何を確認しようとした文書かを見分けます。
権利の宣言と権利の章典は同じ?
1689年の権利の宣言が王位の受諾と結びつき、その内容を法律として定めたものが権利の章典です。別の国の出来事ではなく、同じ政治的転換のなかでの段階の違いと考えます。
マグナ=カルタと権利の請願はどう違う?
1215年のマグナ=カルタはジョン王と諸侯の対立の文脈、1628年の権利の請願はチャールズ1世と議会の関係の文脈です。後世に重要な意味を持ったことと、制定当時の権利の対象を区別します。
1628年と結びつく国王は?
チャールズ1世です。議会の同意のない課税や恣意的な拘禁などへの反対が示されました。国王が受け入れたあとも対立が続いたので、請願によって王と議会の争いがすべて解決したとは書きません。
1689年の権利の章典は何を定めた?
国王による法律の停止や、議会の同意を欠く課税などを制限し、議会の権利や王位継承を規定しました。現代の包括的な人権宣言と同じものではなく、王と議会の関係に重点があります。
名誉革命と権利の章典はどちらが先?
1688年の政変から1689年の王位継承・権利の宣言・権利の章典へと整理します。「1689年に革命が始まり、1688年に章典ができた」と前後を逆にしないよう、一続きの流れで覚えます。
ウィリアム3世とメアリ2世は何に関係する?
名誉革命後の共同統治と、権利の宣言・章典の成立に関係します。権利の請願のチャールズ1世とは世代と政治状況が違います。人物カードに「1628」「1689」の二つの年代を割り当てる練習が有効です。
権利の章典で普通選挙になった?
なっていません。議会の地位や権利の保障と、すべての成人の選挙権は別の課題です。「議会政治が発達した」から「男女全員に選挙権があった」と飛躍しないようにします。
アメリカの権利章典と同じ?
違います。イギリスは1689年、アメリカは1791年に批准された合衆国憲法の最初の10修正条項を指します。同じ日本語に訳されるため、国・年・憲法との関係をセットで確認します。
文書名が似ていて覚えられないときは?
「1215・ジョン」「1628・チャールズ1世」「1689・ウィリアムとメアリ」の三組を作ります。次に誰と誰の関係を調整する文書かを一文で説明します。名前の語感だけで年代を当てる方法に頼らないことが大切です。
数強塾オリジナル確認問題
この比較ガイド用の創作問題です。入試過去問の転載ではありません。
「1689年の権利の章典は、チャールズ1世が男女普通選挙を認めた文書である」という説明を、人物と内容の二点から直してください。
解答・考え方を開く
チャールズ1世は1628年の権利の請願と対応します。1689年の権利の章典は名誉革命後のウィリアム3世・メアリ2世の時代に成立し、王権の制限や議会の権利などを定めました。男女普通選挙を実現した文書ではありません。
確認したい学習ポイント:議会の権利の拡大と、選挙権を持つ人の範囲の拡大を区別する。
追加演習:この一文だけで特定できる?
数強塾オリジナル問題:資料の要約に「議会の同意のない課税を問題にした」とだけあります。この情報だけで権利の請願と権利の章典を区別できますか。理由と、追加で確認したい情報を答えてください。
追加演習の解答と考え方
この情報だけでは区別できません。両方に課税と議会の同意が関係するためです。チャールズ1世・1628年なら権利の請願、名誉革命後・1689年・ウィリアム3世とメアリ2世の時代なら権利の章典と判断できます。
学習ポイント:共通する特徴だけで選ばず、文書を特定できる情報を探します。
時代の流れに戻って理解する
参照資料と作成について
作成:日本世界史塾サイトのAI編集補助。本ページでは「議会の権利の拡大と、選挙権を持つ人の範囲の拡大を区別する。」を軸に、上記の資料と照合して学習用に再構成しています。特定の講師による執筆・監修済みを意味するものではありません。
全体像を授業で学び直す場合は、講師紹介と映像授業の案内をご覧ください。自分の答案のどこで比較が崩れたかを相談する場合は、学習相談・体験授業の窓口をご利用いただけます。